なお、ここで私が「特別に」と申しました意味は、従来の宗教信仰では神の御名(キリスト教の場合はイエスの御名、仏教の場合はたとえば阿弥陀様の名号)を特別に知らされて祈る特権が信者に与えれたわけですが――しかるにこの「神の御名」というのが実にくせ者で、その神の名の下に今も様々な戦争が行なわれ、また反人道的な行為が正当化されてきた歴史的事実があります――現代では全ての人が宗教=宗派の違いを超えて神のこころそのものを祈ることが私たちに「特別に」教えられたのだと、私はこのように個人的に理解しております。実際、最近購入したプロテスタントの方の書かれた祈りの本にも、人が神に祈り求めるよりも先に天において神さまが既に祈っておられるのだという意味のことが書かれていました。これについては多くの方が同じようなことを述べておられるようですが、とにかく浄土信仰においても彌陀の《本願》が先にあるというような意味のことを申しますから、一面では「世界平和の祈りは現代のお念仏だ」とも言われるわけであります。
何か特別の信仰をお持ちの方は、そのご自分の宗教の祈りと共に「世界平和の祈り」をお祈り下されば嬉しく思います。